低所得の未婚ひとり親も免除=国民年金保険料-厚労省案
厚生労働省は30日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)年金部会で、所得が低い未婚のひとり親らについて、国民年金保険料の支払いを免除する案を示した。厚生年金の加入義務を果たしていない事業所への検査強化も提案した。年末に取りまとめる年金制度改革案に盛り込みたい考え。
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国民年金の保険料は月1万6410円。現在は離婚したり、配偶者と死別したりした女性は、年収が125万円以下であれば申請すると保険料が全額免除される。
ただ、近年は結婚せずに親となる人も増え、経済的に困窮する未婚のひとり親も多いと見られることから、男女を問わず免除対象に加える方針。離婚や配偶者と死別した低所得の男性についても免除する意向だ。未婚のひとり親への支援策をめぐっては、政府・与党が税制優遇措置も検討している。
cite:https://www.jiji.com/jc/article?k=2019103001181&g=eco
全額免除は半額支給。何故半分は貰えるのか?
国民年金保険料は、所得によって、半額免除、4分の3免除、全額免除とありますが、
それは【得する】わけではありません。
理由は、将来貰える年金が減額されるからです。
では、何故、全額免除の人でも、半額は年金が貰えるかと言うと、
国民年金には、半分税金が投入されているからで、
全く支払えなかった人でも、税部分に当たる【半額】は貰えるわけです。
(但し、免除申請の必要あり)
でも、満額でも低い国民年金を、さらに半額支給となると、
将来は暗いです。
私も病気退職した時、役所で「免除申請できますよ」と言われ
「ラッキー」と思い、申請してしまいましたが、
貯金を切り崩せば、支払えたのに…、甘言に甘えて、愚かな選択をしてしまいました。
(役所が余計な事を言わなければ、利用しなかったのに!と恨んでも
向こうも、仕事ですからね…。)
※私は、後年、100万位、追納しました。
しかしながら、5年分の付加保険料(400円)は、追納では支払わせて貰えないので
大損しました。
免除なんか利用せず、毎月支払っていれば、付加保険料も付けられたのに…勿体ない事を
しました。。
「全額免除だけど、満額支給になる」わけではない…。残念
今回対象となる方は、「所得が低い未婚のひとり親」という事なので、
扶養しないといけない子供もいるわけですし、
敢えて騒ぐまでもなく、元々、制度的に免除対象者だと思いますが…??
悪用を心配する声もありますが、
「全額免除だけど、満額支給になる」という大変更になったなら、
本格的に、悪用の心配をするのもわかりますが…。
「全額免除=半額支給」なら、現状と何が違うのか、私にはわかりません?
第3号被保険者(第二号に扶養される妻・夫)は、払わずに全額支給ですから
本当に、低所得のひとり親を助けたいなら、第三号と同等に
「全額免除で、満額支給」にしてあげないといけません。
完璧な制度など作れない。
モラルハザードを心配する声もありますが
子供が成人しても、第三号でいられる(雇用調整をして年収を抑えるなど)
しかも満額支給という時点で、既に制度が歪んでしまっているわけで、
何でことさら、ひとり親を差別するような事を心配するのか、不思議ですね。
まぁ、第三号については、私の力の及ぶところではないので、
ご自身で考えて下さい。
第三号の方が、「将来年金が半分しか貰えなくなるって本当ですか?」と
書き込んでおられましたが、年金制度は変わりますので、将来の事はわかりませんが
現行制度では、第三号の方は、満額支給ですので、ご安心下さい。
第二号の拡大は、専業主婦イジメではない。保険料が第一号に流入する謎について
ちなみに、第二号(サラリーマン)の保険料が、国民年金に流れる【謎】は
第三号の穴埋めもありますが、
低所得の第二号の穴埋めもある点に留意しましょう!
低所得の第二号が如何にお得か、です。
第二号被保険者の対象拡大について、専業主婦イジメという声もありますが、
とんでもない勘違いです。
これは現行制度内で、低所得者に老後の年金を確保して貰う最強の手段だからです。
つまり130万円の壁は、専業主婦優遇だけの問題ではなく
独身者(非正規・低所得・とりわけシングルマザーなど)の無年金状態を改善する目的を
持ちます。
130万程度では大した保険料にはならない上、概ね年収200万レベルで、ようやく
国民年金保険料と同じ位の自己負担となります。
今まで低所得で第二号の対象にならなかった人が、僅かの掛金で
「国民年金満額+厚生年金」が貰えます。
但し、そうなると、第三号は論外にせよ、第二号だって、支払っているのは厚生年金保険料であって
別途国民年金保険料は引かれていないのに、国民年金も満額貰えるわけで、
とりわけ「低所得の第二号の穴埋め」の為に、保険料が国民年金に流入せざるを得ないわけです。
共済年金が厚生年金に統合してきた方が酷い話なわけですが
だからと言って、共済年金を支払っている人に罪はありません。
完璧な制度は作れません。
ただ第三号は、子育て中など期間限定とし、それを第一号・第二号にも同条件にしてあげないと
【年金保険料の確保】と【少子化対策】の両方を補う事はできないと思います。
つまり私は、一定期間の第三号被保険者制度には賛成です(一生はダメだと思います)
お金が絡むので、色々意見は別れるでしょうが、
いかなる理由があろうと、子育て世代が全力で応援されるような政策を望みます。
対策1:子供が大きくなったら、追納
今回は、低所得のひとり親の方について、書きますね。
対象の方でも、状況が許せば、安易に保険料の免除は利用しない事です。
寧ろ、付加保険料400円を足して、支払うべきです。
その方が、絶対、老後、助かります。
どうしても支払えない時は、勿論、堂々と利用すればいいです。
但し、お子さんが大きくなって、長時間働けるようになったり、再婚したり
状況が好転すれば、年金事務所に電話して、追納の相談をして下さい。
現在、人手不足もあり、最低賃金も上がっています。
数年内(大企業2020年4月/中小企業2021年)に、同一賃金・同一労働の導入で、
パートと正社員の不合理な待遇差が許されなくなります。
→ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972.html
→ https://www.mhlw.go.jp/content/000526383.pdf
年金の追納は分割でも支払えます。とにかく満額支給に一歩でも近づけて下さい。
対策2:厚生年金に入る
対策1で、「長時間働けるようになったら」と書きましたが
長時間働けるようになったら、パートでも派遣でも厚生年金に入れます。
大企業なら年収106万円から入れます。
中小企業でも、年収130万円から入れます。
厚生年金に入れるかどうか、必ず面接で確認してから、就職して下さい。
※本来加入すべき社会保険に加入していない悪質な企業もある為、
募集に「社保完」とあっても、ただの労災保険や雇用保険の事かもしれません、
必ず、厚生年金も加入できるか、ご自身でお聞きになって下さい。
厚生年金に入れば、第2号被保険者になれます。
つまり、厚生年金保険料の半分を会社が負担してくれて、
国民年金も支払わなくても、貰えるようになります。
お給料から自動引き落としなので、絶対に、払い忘れもありません。
高所得になると、厚生年金保険料も高くなりますが、
130万くらいなら、国民年金保険料より、ずっと安い上、
「国民年金+厚生年金」の両方を貰えるので、お得です。
※どう考えても、厚生年金保険料の自己負担額が16000円以下(年収200万位)の場合
国民年金保険料以下の金額で、両方貰える方がお得で、しかも「ラク」です。
※支払った保険料は、社会保険料控除として、会社が自動的に年末調整してくれて
払い過ぎた税金も取り返してくれてます。
対策3:第二号被保険者と結婚して第三号被保険者になる
第二号とは、サラリーマンです(妻が第二号で、夫が第三号も可能)
結婚相手が第二号被保険者なら、ご自身の所得が低いままでも、
第三号被保険者になれます。
年金の為に結婚するわけにはいきませんし、
第三号の制度も、いつまであるかわかりませんが、
とりあえず、今は制度がありますので、
第二号のサラリーマンと結婚すれば、保険料を払わずに満額貰えます
※満額貰えるのは、結婚した後の期間です、免除期間分は結婚しても減らされた
ままなので、対策1の「追納」は、可能な範囲で頑張って下さい。
まとめ
基本的には、安易に免除申請しない方が良い、という事です。
理由は、年金が減額される事と、後で追納しても、免除期間中の分は
超お得な「付加保険料(月+400円)」に加入できないからです。
あと、やっぱり、老後は年金が支えになりますから
せめて国民年金は満額貰えるように、可能な限り努力した方が
身の為だと思います。
個人的な意見としては
子育て世代に全力支援する為、第一号、第二号、第三号問わず、
「国民年金を免除しても満額貰える期間」を作ってあげて欲しいです。